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あなたと過ごした時間は、きっといちばん大切な宝物。
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こんにちわ、だりあです。
色々あって塞ぎ込んでましたが、何とか元気を取り戻し頑張っています。
目前に控える大きな課題にやる気損失してますが、みんなが支えてくれてるので、頑張れそうです。
今月更新はこれが最後となります。
次回更新は来月中旬以降となりそうです。
出来れば、早めに続きをあげたい所ではありますが、諸事情により出来ませんので、ご了承ください。

それでは、前回の小説の続きをあげたいと思います。
読んでくださる方は↓へどうぞ。

そして・・・あげる時に気がつきました。
長く書きすぎて、追記文の文字数が多すぎます(64000byteまで) と言われちゃったので、
2回に分けて書きますw
1日に2回UPとか正気の沙汰じゃ・・・。



信じていられるからこそ、今がある。
例え、きつくつらい出来事があっても、
100のうち99がつらいことでも、1つでも良いことや、嬉しいことがあるなら、
その為だけに、頑張れる。

出逢えた事に感謝しよう。
愛してもらえたことに感謝しよう。
まだ頑張れるから、笑顔で居るために。
私がもらった幸せを、喜びを、大切な人への愛へ変えて・・・。

悲しけりゃ思いっきり泣いたっていいよ。
悔しけりゃ思いっきりないたっていいよ。
今は思いっきり凹んだっていいよ。
自然と元気になれるまで気長に待つから...

そんな優しさをくれたのは...他でもないあなただから。


――― ラグナロク 迷いの森1F

二人は入り口をくぐり、ダンジョンの迷路を歩いていた。
途中迫り来るモンスターを、真瑠の魔法で倒しつつ、だりあは支援と回復をしていた。
「もうすぐ、2F入り口だよね」
「うん、そのはず」
そんな会話をしながら、二人は歩き続けた。
と、その時だりあが何かを感じ取った。
「真瑠、後ろ!!」
「え?」
だりあが叫んだ瞬間、けたたましい声がダンジョンに響いた。
悲鳴とも何とも言えないその声に、二人は身を寄せ合い耳を塞いだ。
「な、なんなの?」
「分からないけど・・・」
二人を取り巻く魂のような実体の無い塊は、奇妙な声を出しながら二人にまとわりついた。
「くっ・・・、耳がおかしくな・・・」
やがて、その実体の無い塊は、だりあだけを捕らえた。
「さ、さわさん・・・、俺の手を掴んで!」
だりあが、手を伸ばそうとしたその時、かまいたちのような風が二人を裂いた。
「っ・・・」
風が通り過ぎた後、だりあの身体が宙に浮かび、2F入り口方面へと消えていった。
「さ、さわぁぁーーーっ」
だりあが必死に真瑠に向かって手を伸ばすも届かず、だりあは実体の無い塊に連れ去られた。
ダンジョン内に響いていた、けたたましい声は止み、真瑠はその場に膝をついた。
「一体・・・何なんだよ」
真瑠がつぶやく。
ぶるぶるっと、顔を横に振り、真瑠は真剣な表情をし立ち上がった。
「行かなきゃ・・・」
今現在、何が起こってるのかも分からず、動揺を隠し切れなかったが、真瑠はだりあを取り戻す為だけに身を奮い立たせた。

2Fに着き、周囲を見渡す。
左奥の方にある黒い渦が目につく。
取り敢えず、そっちの方へと歩いていった。
渦が、確実にはっきりと分かるくらいまで進むと、一人のパラディンが姿を現した。
「ふっ、よく来たな…だがもう遅い!」
「りゅ、龍さんじゃないか!」
「馴れ馴れしく我が名を呼ぶな」
「な、何だと・・・!?」
真瑠の前に現れたのは、ギルドメンバーの一人、パラディンのイシュタルだ。
あだ名が「龍」なので、真瑠はそう呼んでいた。
「今回の一連の仕業は、我の手によるもの…。真瑠、お前等に紗杷様は渡さん」
「・・・どこにやったんだよ?さわをどこにやったんだよ!?返せよ!」
「気に食わんな・・・。お前一人だけの紗杷様じゃないんだよ!」
イシュタルは、そう言いながら渦の方を指差した。
「あれを見るがいい」
イシュタルが指差した先に、幻影が現れた。
その幻影に映し出されたのは、紛れも無いだりあだった。
だが、クリスタル漬けとでも言えばいいだろうか、氷のようなものに固められ、だりあはその中で気を失っていた。
「なっ、何てことを!今すぐ解放しろ!!」
「その要求を飲む事は出来ない。あれは我の手持ちの術では解けぬ氷だ」
「だったら俺が溶かしてやるよ。それに、こんなことをする理由はなんだ?こんなことをしても何もならないだろう」
イシュタルは指をパチンと鳴らし、後ろを向いた。
「時間切れだ。貴様が素直に我らの仲間になるなら、事は素直に進んだものを…」
「誰がなるかっ!」
真瑠が反論を伝えた直後、真瑠の足元に何かが飛んできた。
「これは…スパイダー…?」
「そしてこれはおまけだ。レックスディビーナ!!」
真瑠は、足元を固められたまま、沈黙攻撃を受けた。
「くくく、それだけでは足りなさそうだな。ケイタ殿」
「はっ、ここに」
「一撃食らわすが良いぞ」
真瑠にレックスエーテルナが入り、ケイタの阿修羅覇王拳が決まる。
力無くして、真瑠はその場に倒れこんだ。
「くっ…、こ、こんなことして何になる...」
「貴様の足止めだ。このまま、ミッドガルツが滅びるのをその場所から見ているがいい」
「なんだと…?」
「我らアルナベルツが天下を取るのだ」
「ど、どういうことだ」
「総ては、フレイヤ様の導き…」
イシュタルは、その言葉を残し、ケイタと共に黒い渦の中へ姿を消した。
「くそっ…。どうしたらいいんだよ、何が起こってるんだよ…。さわ…さ…」
真瑠の意識は飛びかけていた。
そこにクロークで隠れていた人が姿を表した。
「真瑠さんしっかりするんだ」
「…その声は…、たばこさんか?」
「あぁ、今起こしてやるからな」
彼もギルドメンバーの一人、marlbolo。
職業はチェイサーだ。
たばこはイグドラシルの葉を使い、瀕死の真瑠を起こした。
「大丈夫かい?」
「あぁ、何とか…。助かりました、ありがとう」
「いやいや、真瑠さんと、紗杷さんが二人でここに来てたのは見かけてたからな」
「あれ、そうだったんです?」
うんうん、と頷くたばこはさらに話を進める。
「普段ここにはあまり人が来ないから、目に付いてたんだよ。それで気になって追いかけてみたらこのザマでしょ?」
真瑠は伏せ目がちに言った。
「面目ないっす」
「いや、あれじゃどうしようもない。龍さん一体どうしたんだろうな」
「分からないですよ、あれじゃ・・・見当が…」
たばこは腕を組んだまま、首をかしげた。
「多分だが…あれは氷の洞窟…4Fだと思うんだよな。さっき見えた幻影な」
「氷D?」
「そう…。氷Dのボス、クトルラナックスを倒した先にあるフロア。そこには幼い男の子が氷漬けにされてるという話だ」
「それは…一体…」
その場に座っていたたばこだが、腰を上げた。
「取り敢えず、出ようぜ。ここに居ても何も解決にならない」
目の前に見えていた渦は跡形も無く消え去っていた。
「そうですね、戻りましょう」
二人は蝶の羽を使い、街へと戻った。

…必ず助けるから。
真瑠はそう思いながら、その場を離れた。


――― アルナベルツ共和国 首都 ラヘル セスルムニル神殿内

「あぁ、よく来たね。リニア」
リニアに声をかけているのは、ジェド大神官だ。
「お久しぶりです、ジェド大神官」
「すまない、急に呼び出して」
「いえ、それでお話というのは…?」
ジェドは、リニアに手招きをし、こっちにと合図をした。
「ここだと他の人の耳に入りやすいのでな、場所を変えよう」
リニアは言われるままに、ジェドの後ろをついていった。
少し歩いて着いた先は、教皇執務室入り口だった。
「ここは…」
「そう、リニアを呼んでいるのは私ではない。教皇様だ」
リニアは驚きを隠せない表情をしたまま、取り敢えずジェドの後をついて行った。
人払いをしてあるのか、教皇執務室内は人が誰も居なかった。
最上階まで階段を上がっていくと、ニルエン大神官と、教皇が二人を待っていた。
リニアの姿を見て、教皇はにっこりを笑みを返した。
「…リニア、よく来てくれました」
教皇は相変わらず少女の姿で、瞳の色が左右違い、色白なままだった。
「いえ、教皇様お変わりなく、お元気そうで安心致しました」
「リニア、そう硬くならないでください」
ニルエンもリニアに声をかける。
「先日は、アルナベルツの為に尽くしてくれて本当に有難う」
リニアは首を横に振り、とんでもないと意を表した。
そんな様子を見ながら、教皇が話を切り出した。
「異国の者達が、このアルナベルツの為に動いてくれた後、私の方で今後はやっていくと伝えたばかりなのに、またお手伝いを頼まなくてはならない状況になりました」
「それは一体どういうことですか?」
ジェドが口を挟む。
「急進派の者は未だ存在し、やってはならないことをしているのだ。教皇様はその事実を知り、当事者の大神官を処罰せねばならぬ状況にある」
続いてニルエンも告げる。
「あなた方、冒険者の者を金品や脅迫、暗示や、騙したりなどをし、人を集めこの世界を滅ぼそうとしています。それから先程入った事実ですが、どうやらフレイヤ様の化身と崇め、ある女性冒険者を捕らえた模様です」
「なんと!?」
ジェドも教皇も驚きを隠せない。
「化身は、教皇様では…」
リニアが問いかける。
「勿論そうです。ですが、急進派の考えはエスカレートしていっている。このままではとても…」
全員が疑念の渦に追い込まれていた。
そして、その渦はある信者の声でかき消された。
「御話中の所、申し訳ございません。ニルエン様おられますでしょうか?」
ニルエンが即座に反応する。
「この声はシピー…。教皇様すみません、かの者の話を聞きに席を外しても宜しいでしょうか?」
教皇は頷き返した。
「構いません。行ってあげてください」
「ありがとうございます」
ニルエンは階段を降り、シピーの元へ向かった。
数分後、ニルエンが再び、教皇、ジェド、リニアの前に戻ってきた。
「席を外しまして、申し訳ございません。急進派が新しく陣地とし、構えている場所がわかりました」
「それはどこですか?」
教皇が聞き返す。
ニルエンは言いにくそうな顔をしながら述べた。
「…氷の洞窟でございます」
「まさか…」
ジェドは青ざめた表情で聞き返す。
「はい、教皇様のご兄弟で在らされます、ルーミン様を目覚めさせ、教皇様を亡き者にしようと企んでおるようです」
「ニルエン、私に兄弟が居るとは初耳ですが…?」
ニルエンは真っ青になった表情を隠しきれないまま言葉を述べていった。
「このニルエン、教皇様には今後真実しか述べないことを心に決めております。ですから今からお伝えする事柄が、お教えするのが遅くなりましたことをお許しください」
「構いません、ニルエン。話してみてください」
戸惑った表情を浮かべたが、やんわりとした声で、ニルエンは話し始めた。
「教皇様がお生まれになった時の話でございます。…フレイヤ様の化身としての素質を持つ者が二人、つまり双子だったのです。それに…片割れが男子なんて前例がございませんでした。その時に居た12人の大神官の議論の結果…、無論すぐさま結論が出た訳ではありませんが、氷の洞窟に封印することになったのです」
「どうしてそのようなことを…。生まれてきた命、一つ一つでも大事な命ですよ。確かに…この国では異例なのかもしれませんが…」
教皇が口を挟む。
「リニアの気持ちは分かります。ですが、フレイヤ様は女神。女神の化身が男性ではこの国では示しがつかないのです」
「お国柄仕方の無いことなのですね…」
「そういうことです。リニア、理解してくれてありがとう」
「いえ、とんでもありません。ニルエン大神官、お話を続けてください」
ニルエンは頷き、話を続けた。
「大神官の協議の結果、決まった事柄を実行すべく、氷の洞窟に赴き、クトルラナックスというモンスターに封印の門番を頼んだのです。ですから、そのクトルラナックスを倒さない限り、その奥へは行けないのですが…」
「私自身も聞き及んでは居ますが、冒険者が倒しているとは聞いています」
リニアは付け添えた。
「ということは、やはり内部に行っている可能性がありますね」
3人は、教皇を見つめた。
彼女の言葉を待っていたのだ。
教皇は伏せ目がちに悩んでいたようだが、やがてしっかりとこちらを見た。
「リニア、そしてニルエン、ジェド」
3人は、変わらず教皇を見つめた。
「私はここから動くことが出来ません。かと言って、ニルエンとジェドが大きく動いたなら、急進派の者達を煽ってしまいます。だから、リニア…」
「はい」
「この一件をリニア、あなたに委ねます。ニルエンとジェドはリニアの支援、保護など出来うる限りのことをしてあげてください」
「わかりました」
ニルエンとジェドは深く頭を垂れた。
「リニア、あなたにお願いしたいのは、多分そのモンスター、クトルラナックスを倒すことになるかと思います。それで、急進派の動きを止めるために、捕らえられた者の救出と、我が兄弟を無事に連れて帰ってきてください」
「わかりました、お引き受けします。ですが、教皇様、その件は私一人では厳しいかと思います。仲間と共に行っても構いませんか?」
「無論です。どうやら、あなたの仲間が深く傷ついているようですね。詳しくはわかりませんが、その者達と共に。但し極秘任務ですから」
「心得ております」
「教皇様」
ニルエンが一歩前に出て、発言し始めた。
「何でしょう、ニルエン」
「先程、教皇様はルーミン様をここへと仰られました。もし、リニアが無事に連れてきたとして、その後はルーミン様をどうなさるおつもりですか?」
「急進派の動きを止めるのが今の目的、それに屈した者達を無罪放免には出来ません。大神官が関わっているなら尚更です。我が兄弟に関しては、私が直に話をしてから、ニルエンとジェド、そして私の3人で決めたいと思っています」
「わかりました…」
「氷の洞窟に閉じ込めた事に関しては、今更咎めるつもりはありません。私の為を思い、やってくれたことも分かっています。ですが、そのまま放置にするべき事柄ではないのだから」
ニルエンは涙ぐみながら、言葉を紡いだ。
「教皇様の寛大なお心に感謝致します」
教皇は、ニルエンの表情を見ながら軽く微笑み、リニアを見つめた。
「リニア、少々大変なことになるかと思いますが、お願いします。あなただけが頼りです」
「教皇様…、出来うる限りで努めさせて頂きます」
「その言葉を聞いて安心しました。そして、ニルエン…」
「はい、教皇様」
「トールの火を準備してあげてください。それから少しではありますが、補助物品などを用意してあげてください」
「かしこまりました」
そう言うと、ニルエンは席を外して行った。
「それから、ジェド」
「はい、ここに」
「急進派の者達が、私や、この神殿を脅かさないとは限りません。かといって、大きく動いても目に付くだけです。難しいかと思いますが、神殿と、私の身辺の保護と守護とお願いします。後…、リニアとの連絡を取り合うのも任せます」
「承知致しました」
ジェドが、少しその場から外れ、階段を数段下りた所で、リニアを待っていた。
「リニア」
「はい」
「私が出来たら、私がするのですが…、このような形になり、申し訳なく思います。頼みましたよ?」
「教皇様、必ず吉報をお届け致します」
にっこりと微笑んだ教皇はまるで、女神フレイヤが微笑んだようだった。

ジェドの後ろを歩きつつ、リニアとジェドは、神殿内にあるジェドの居室へと戻った。
「ジェド大神官」
「リニア、今回このような事になり、申し訳ない」
「いえ、そのようなことはありません。ご協力出来るのでしたら、この上ない幸せです」
「そう言ってくれると本当に助かるよ」
リニアは一礼をし、部屋を出て行こうとしたが、ニルエンに呼び止められた。
「リニア」
「ニルエン大神官」
その手に握っていた小さな紙包みと、聖火を運ぶような入れ物に入っている灯火を手渡された。
「これは…?」
「こちらは、教皇様からの贈り物と、こちらがトール火山より持ってきたトールの火です。これを持っていきなさい」
「有難うございます」
ニルエンは、リニアの手を握り懇願した。
「リニア、頼みますよ」
「大丈夫です。私は一人ではありませんから。みんなが居てくれますから」
そう言って、リニアはニルエンとジェドに頭を下げ、退室した。
「リニアならやってくれるよ」
ジェドがニルエンを諭す。
「ええ、彼女ならきっと…」
二人は、リニアを見送りながらそんな会話をしていた。



――― ルーンミッドガッツ王国 ゲフェン

「ひっさびさに落ち込んだわ…」
そう呟くのは真瑠だ。
「まぁまぁ、大丈夫だ。俺も手伝うし…」
と、言ってくれるのは、さっき真瑠を助けてくれたたばこだ。
「でだ、クトルラナックス倒すなら、面子集めないと無理だな」
「うーん…、与ダメだけなら俺だけでもいいけど、抱えてもらうかどうかしないと…」
「今、ギルドで居る人に声かけるか…」
と、二人で話しているときだった。
溜まり場に忽然と姿を現したのはリニアだ。
「リニアさん…」
真瑠が声をかける。
「はい、なんでしょう?」
いつも通りのレスだ。
「その…手に持ってる火は一体?」
「ランタンですか?これは、トール火山から持ってきた、トールの火です」
「どうしてそんなものを」
「事情は今からお話しますが、少し人を集めましょう」
リニアが、ギルチャで呼びかける。
『九里虎さん、百合さん、ママ、イーグルさん、ヴォゴさん居ますか?』
『うん、百合と居るよ。狩りしてるけど』
そう答えたのは、九里虎だ。
『なんだい?』
今度はママのレス。
『ちょ、ちょっと待って。RGG倒してる』
イーグルの返事。
『ん、呼んだかい?』
ヴォゴスのストレートレス。
『アルナベルツの教皇から、うちのギルドへ依頼がありましたので、ちょっと手伝ってもらえませんか?』
リニアがそう言うと、全員が溜まり場に戻ってきた。
「これだけ居れば、行けるかな…」
リニアが何か考え事をしているような感じで言う。
「リニアさん、結局何があったの?」
「実は先程、私が教皇に呼ばれてですね…。手を貸してほしいと言われたんです」
リニアは淡々と、ジェドに呼ばれ、教皇と話し、依頼されたことなどをみんなに告げた。
「…その攫われたっていうか、捕獲された冒険者って多分紗杷さんだと思う」
たばこが伝える。
「紗杷さんなんですか?」
真瑠も続く。
「うん、俺の前であっさりやられた」
「真瑠さんが居ながらですか…」
また、たばこが言葉巧みに真瑠を擁護した。
「あれはどうしようもなかったわ。しかも龍さんと、あとあれは紗杷さんの知り合いかな…、向こうに手を貸してる様子なんだよ」
「なるほど、冒険者の加担者として龍さんと他にまだ何人か居るということですね」
九里虎が、手を上げて発言し始めた。
「ちょっといいかい?」
「はい、どうぞ」
「取り敢えず、リニアさんが持ってきた話と、マルたちが見たことのつじつまは合うから、一緒に考えていいと思う。で、その氷Dの奥に居る男の子の救出と、紗杷さんの安否確認が俺らに言われた依頼なんだって事でいいんだよね?」
「そうですね、真瑠さんらの話を聞いてると、そうなりますね」
「分かった。俺は手を貸すよ。百合は?」
呼ばれた百合も答える。
「出来ることあるならお手伝いしますよ」
「俺も手伝うよ」
「さわねーが関わってるなら行こうかね」
「まーた、厄介ごとだな。…仕方ないな、行こうか」
イーグル、ママ、ヴォゴスも手伝うことに賛同した。
「みんなありがとう。それじゃ取り敢えず、クトルラナックスを…倒すかどうかしないと、4Fへの入り口は開けないのでそれを…」
たばこが口を挟む。
「いや、何も知らないまま突貫するのはまずいだろう。俺が先に行って様子見てくるよ」
「お願いしていいですか?」
やんわりとリニアが頼み込む。
「おk、じゃぁ行ってくる」
たばこが先に向かった。
みんなは戦闘に備え、準備をし始めた。
「俺がチャンプで、百合が教授、リニアさんと桃さんはHIプリで、ヴォゴは冠だな。マルはそのままHiwizでいいだろ?」
「うん、俺はHiwizで行くよ」
「俺は?」
イーグルが九里虎に問うた。
「いーぐは、LKお願いしようかな」
「LKね、わかった」

そうやって準備している時に溜まり場に一人の訪問者があった。
「こんにちは、さわねーって居ます?」
「その声はたれおん!」
ママが即座に反応した。
「さわさんなら、誘拐されました…」
「なっ、どういうこと!?友達登録帳見れば、接続はあるんだけど反応ないし、結婚スキルもなんか不調で使えなくて呼べないんだ」
「わからんけど、取り敢えず捕らえられてるって場所に行くんだけど、ファインも来ないか?」
九里虎がファインを誘った。
「ふむ、それなら行かないわけには行かないかな…。俺も行きます。で、まるさんちょっと…」
真瑠が呼ばれ、ファインの傍に行く。

「うん?」
「俺らって…コミケ会場に居なかったっけ…?」
「あ、やっぱりファインくんも実体で来てるのか?PC介してじゃなくて」
「うん、そうみたい」
「うーん…俺もよく分かってないけど、取り敢えず、やることあるからそれだけ片付けてから、戻る方法なり考えようと思ってるんだけど…」
「そだなー、そうすっか。で、場所どこで、何をするの?」
「場所は氷D、で、クトルラナックス倒す。その先にある階へ行くのが取り敢えずの目的」
「相手するMOBがまたきついな…」
「まぁ、ここに居るみんな行ってくれるから、弓で#とかDSとかお願いできるかな?」
「ヴォゴがブラギするのか…、ならこのまま準備するよ」
「うん、お願い」

真瑠を始め、リニア、九里虎、百合、ママ、イーグル、ヴォゴス、ファインの8人は、準備を整え、出発しようとしていた。
丁度その時に、たばこが戻ってきた。
「見てきたよ。厄介なことになってるわ」
「どんな具合だったん?」
たばこがお手上げの様な仕草をしながらため息をついた。
「2Fまではすんなり、何も無く行ける。ランダムテレポでも問題ない。けど3F前には見張りが居て、入れなくなってた。一応クロークがあるから中に入って見て来たんだけど、普段居るMOBはそのままいつも通り。火はあったから、クトルラナックスの召喚は可能。見張りをどうするかだな…普通の冒険者すら入れないようになってる」
「見張りか・・・」
リニアがごそごそと、ニルエンからもらったものを確認していた。
「…一応、急進派についてる神官宛の密書なら持ってます。これを利用して行けませんか?」
「それだ!」
真瑠が声をあげた。
「それ使えば見張りをやり過ごせるんじゃね?」
「でも、それにしては人数多すぎね?」
イーグルが口を挟む。
それに対し、ヴォゴスが納得する発言をする。
「あぁ、うちらの人数がか・・・」
リニアが首を横に振る。
「いえ、それも回避出来そうです。私と一緒に居る人は神官の元まで一緒に行っていいと封書の表に書いてあります」
「ふむ、じゃぁ大丈夫かな…」
たばこが何か引っかかるような表情をしながら言う。
「何もしないよりはいい、行くだけ行ってみよう」
ママが意欲を引き立たせるようにみんなに言った。
「うん、そうしよう」
それに対し全員が納得する意思表示をした。

ワープポータルに乗り、全員が氷の洞窟の入り口へと向かった。


――― 氷の洞窟 4F 最奥 聖堂 大神官居室

「ビルド大神官様」
「うむ、イシュタルか、入れ…」
「御意」
龍がビルドの許可をもらい、居室に入り跪いた。
「あれの準備は順調か・・・?」
「は、滞りなく、ルーミン様と紗杷様の精神移植の準備は進んでおります」
「うむ、我らのフレイヤ様の化身に相応しいものにするのだ」
「承知しております」
「あとは…、強い魔力があれば、術は完成する」
「その魔力とは…?」
不気味な笑みを浮かべながら、ビルドが告げた。
「我らアルナベルツが作り上げたユミルの心臓の欠片にがここにある。これに魔術者の能力を注ぎ込み、精神移植した身体に埋め込めば、フレイヤ様の新たなる化身は完成だ」
「つまり、ハイウィザード…しかも高レベルの者を御所望という事で宜しいのでしょうか?」
「そういうことだ。イシュタル、今度も多大なる働きを期待している」
「畏まりました。フレイヤ様の完全なる復活を!ビルド大神官様に栄光を!」
敬礼をし、龍は席を外した。

Hiwizか…。
精神移植したものに埋め込むというのならば、紗杷様が少しでも関わりを持っていた奴が相応しいだろう。
ふふふ、的が見つかったな。

龍は、そんなことを考えながら居室を後にした。

この後…何が起こるかも知らずに…。



――― 氷の洞窟入り口

真瑠、リニア、九里虎、百合、ママ、ヴォゴス、イーグル、たばこ、ファインの9人は、氷D前に着いていた。
「それじゃテレポで3F前まで行こうか」
「OK」
全員が頷く。
それぞれ、洞窟内に入り、リニアとママが全員に支援をかけ、テレポートで向かう。
全員が3F前に着き、意を決して見張り番の前まで歩く。
「何者だ!ここは今は封鎖されている。即刻立ち去れ!」
見張りの者がこちらに対し、言葉で威嚇する。
リニアが前に立ち、言葉を返した。
「そうは行きません。私たちはアルナベルツ共和国の教皇様からの使者です。ここを通してください。ビルド大神官様宛の書状を預かっております」
「何だと?それを証明するものは?」
「こちらになります」
リニアは教皇からの物であるという刻印の入った書状を見張り番に見せ付けた。
「ふむ、それはどうやら本物らしいな。ではそれは我らが預かり、大神官の元へ届けるとしよう」
「いえ、これは手渡しをするように指示をされております」
「それでもここを通す事は出来ない」
PT会話で、全員が話し始める。
『どうするよ…』
『見張り番倒していいならその方が早くね?』
『まぁ、そうだけど、そういうわけにもいかんでしょ』
そうやって話していると、不意にリニアは人影を感じ振り向いた。
「ニ、ニルエン大神官!」
PTメンバーの間をくぐり、リニアの横にニルエンは立った。
「ニルエン大神官様、どうしてこちらへ…」
見張り番は驚きを隠せない。
「彼らは、教皇様からの使いです。ビルド大神官からの命令であっても、現教皇様の命令は絶対です。ここを通してあげなさい」
「は・・・、ですが…」
「聞こえないのですか?現教皇様の命令は、フレイヤ様の命令と同じです!通しなさい!」
「…畏まりました、どうぞお通りください」
リニアが戸惑った表情をしながら、ニルエンの名前を呼んだ。
「ニルエン大神官…」
「お行きなさい。後は任せます」
「わかりました、有難うございます」
PTメンバー全員が、ニルエンに会釈をし3Fへと入っていった。
「リニア…」
ニルエンは踵を返し、その場を離れた。


続きへ。
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性別:
女性
職業:
ヒーリングセラピスト、福祉関係
趣味:
バイオリンorクラリネット演奏
自己紹介:
ラグナロクオンラインGarm鯖で活動中のオーラハイプリーストの他愛も無い日記です。
パンヤも、たまにやっています。
最近は仕事が忙しいので、あまり遊んでいませんが、麻雀とかもやってたりw
福祉関係の仕事をしながら、ヒーリングセラピストもしています。

何気に、へきらーです(笑)


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